武藤将胤さん(EYE VDJ MASA)が、ロボットアームを使った新たな身体表現を2026年11月8日(日)、東京・竹芝で披露します。舞台は「ちょっと先のおもしろい未来2026(ちょもろー2026)」のB2Jライブ。音楽に合わせてアームを動かすだけでなく、本人が伝えたい思いや、その人らしい身ぶりをどう表すかが今回のテーマです。所作の設計を担う株式会社KiQに、武藤さんの意向を動きへ落とし込む過程を聞きました。
音・声・ロボットアームが重なる、竹芝の50分
身体拡張プロジェクト「Brain Body Jockey(B2J)」は、ロボットアームなどの技術を通して、本人の意思で自己表現やコミュニケーションを楽しめる社会を目指す取り組みです。今回のテーマは「Optimize(使用者身体への最適化)」。WITH ALSの発表では、本人の過去の会話音声から声質を生かした歌声をAIで再現する音声合成歌唱、KiQによる本人らしい所作の設計、慶應義塾大学KMDによる拡張身体の操作方法の多様化という、3つの連携を紹介しています。
11月8日のステージでは、プロジェクトの紹介と、音声合成歌唱やロボットアームによる身体表現などを融合したライブパフォーマンスを予定しています。身体を拡張する技術が、音楽の中でどんな表現につながるのかを見られる機会です。
出発点は、武藤さんが表現したい所作を言葉にすること
「本人らしい動き」は、設計する側だけで決められるものではありません。手がかりにするのは何かを尋ねると、KiQの菊地あかねさん(所作研究家)は、次のように答えました。
ご本人が表現したい所作を事細かく言語化いただき、パフォーマンス中の音源に合わせて一瞬一瞬をデザインし、レビューいただきながらその人らしさを表現しました。
KiQのリリースでは、過去の映像を手がかりにしながら、アームの軌跡・速さ・間の取り方を考えることが説明されていました。今回の回答で分かったのは、武藤さん自身が望む所作を細かく言葉にし、音源の一瞬一瞬に合わせて設計し、本人のレビューを受けるという具体的な進め方です。
さらに、本人の意向をどう確かめるかについて、菊地さんは「武藤さんの意向は実装済みのアームロボの動作内容を本人が評価します。」と説明します。動きの案を考えることに加え、実装されたアームの動作を本人が評価することが、意向を確かめる方法になっています。表現したい本人が、所作を考える段階にも実際の動きを評価する段階にも関わる方法です。

固定されたアームでも、前後の軌道で奥行きを
動きの設計には、機体ならではの条件もあります。KiQによると、ロボットアームは設置位置が固定されており、人が上体を動かすように身体の軸全体を移すことはできません。そこで、固定位置から描く軌道に前後方向の動きを取り入れ、観客に向かう方向や奥行きの見せ方を検討しています。アームの設置場所を移動させる工夫ではなく、動かし方そのものの設計です。設計の背景はKiQの発表で紹介されています。
音楽の印象的なタイミングに動きを合わせる「音ハメ」や、観客もまねしたくなる身ぶりを目指している点も、同社の発表で挙げられています。ステージを見るときは、音と動きが重なる瞬間や、アームが前後に描く軌道にも目を向けてみてください。
11月8日17時から。展示・機器体験ブースはなし
公式ステージスケジュールでも、B2Jライブは11月8日(日)17:00〜17:50と案内されています。イベント全体は11月7日・8日の2日間ですが、この公演は8日です。
- プログラム:B2J ちょもろーLIVESTAGE「BrainBodyJockeyProject −Optimize−」
- 日時:2026年11月8日(日)17:00〜17:50予定
- 会場:東京ポートシティ竹芝1F(東京都港区海岸一丁目7番1号)
- アクセス:JR浜松町駅北口から徒歩4分、都営大江戸線・浅草線大門駅B1・B2出口から徒歩5分、ゆりかもめ竹芝駅2A・2B出口から徒歩2分
ちょもろー2026は入場無料(一部有料コンテンツあり)。事前予約の要否はプログラムによって異なるため、来場前に公式サイトの参加案内・最新情報を確認してください。最寄り駅からのバリアフリールートも同サイトのアクセス欄から確認できます。なお、B2Jのこのプログラムはステージでの紹介とパフォーマンスのみで、展示・機器体験ブースはありません。
ステージの先にある、本人に合う表現づくり
KiQは将来に向けて、喜びや呼びかけなどの思いに複数の所作を設計し、本人の意向や受け手への伝わり方を比べる方法、軌跡・速さ・間の取り方を記録して調整に生かす方法も検討しています。これらはKiQの検討案で、B2J全体の開発計画や達成時期を示すものではありません。ロボットアームなどを開発する企業や、身体表現・コミュニケーションを研究する機関との共創も募集しています。共創のテーマと取り組みの詳細も公開されています。
今回の取材からは、本人らしさを外から推測するだけでなく、本人が望む所作を言葉にし、実装された動きを本人が評価するという関わり方が分かりました。竹芝のステージは、その過程を経た表現に出会う機会になりそうです。
本記事は取材回答と公開情報に基づいて制作しています。掲載情報は2026年11月7日時点。開催内容・時間は変更される場合があります。取材記事の編集方針












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