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農家の困りごとに学生がAIで挑む「Metagri Student Challenge 2026」募集開始、企画書だけでも応募可能

学生が農業の五つの課題に生成AIを使って挑むコンテストが応募受付を開始。テーマの背景、応募後に農家と試す機会やAI利用の注意点を取材しました。

農家の困りごとに学生がAIで挑む「Metagri Student Challenge 2026」募集開始、企画書だけでも応募可能
学生が農業の課題に挑むコンテスト。(画像・資料提供:株式会社農情人)

編集責任者 AKIMOTO

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農家の記録や技の継承、情報発信といった課題に、学生が生成AIと自由な発想で挑む「Metagri Student Challenge 2026」の応募受付が始まりました。アプリやゲーム、動画だけでなく、企画書だけの応募も可能です。主催するMetagri研究所を運営する株式会社農情人の代表取締役、甲斐雄一郎さんに、課題を選んだ背景や応募後の進め方を聞きました。

発表によると、対象は18歳以上の大学生、大学院生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校生。個人部門と2〜5人のチーム部門があり、学校や学年をまたいだチームも応募できます。農業や生成AIの経験は問われず、参加費は無料です。応募期間は2026年11月3日から2027年1月10日23時59分までです。

五つの課題は農家の声から

テーマは、作業記録、ベテランの技の継承、農家のAIデビュー、農家のファンづくり、農業の外の力との連携の五つ。応募者は一つを選び、その困りごとに応える作品や企画を考えます。

応募する五つの農業課題を描いた図
応募する五つのテーマ。(画像・資料提供:株式会社農情人)

甲斐さんによると、五つのテーマは、同社の農家向けAIメディアの取材や過去の農家向け調査で聞こえた困りごとをまとめたものです。農園の中の記録や技の継承から、AIとの関わり、農園の外への発信や連携へと、農家の一日の流れに沿って視点を広げる順番にしたといいます。

例えば作業記録では、手が泥で汚れ、夜は疲れている中で記録を残す時間がなく、続けられないという声がありました。技の継承では、言葉になっていないコツを新しく入った人にどう渡すかが課題になります。甲斐さんは、茨城県の有機野菜農家がAIと自己評価シートなどを人材育成に活用した例を挙げます。

AIについては、使い方が分からない、相談先がない、情報漏えいが心配といった声があったそうです。情報発信では、大分県のトマト農家がAIでPOPを自作し、価格を上げても前年より多く売れた例を紹介。外部の力を借りる場面では、困っていても誰に何をどこまで頼むか整理できないという声もあったといいます。個々の事例を、どの農家にも同じ結果が出るという意味ではなく、課題を考える出発点として示しています。

農業の経験がなくても企画を始められる

農業の現場を知らない学生に向けて、公式サイトには各テーマの現場の声や作品例、審査で見る点が掲載されています。甲斐さんによると、紙やホワイトボードなど今の方法より本当に手間が減るか、教わる人が使える形か、といった確かめる視点も示しています。

企画書では「誰の困りごとか」「解けると何が起きるか」「小さく試すなら何を確かめるか」「AIの使い方」「ほかと何が違うか」の順に整理します。応募形態は企画書、アプリやサービスの試作品、動画・画像などのコンテンツ、自由提案。完成済みの作品だけに加点するのではなく、課題の理解と検証計画も重視します。

五つの審査ポイントと配点を示す図
審査では農家・地域の課題理解や価値を重視する。(画像・資料提供:株式会社農情人)

希望者は、主催者とのオンライン個別相談会を1回30分程度利用できます。テーマ選びやアイデアの整理を、まだ固まっていない段階から相談可能です。申込締切は2026年12月16日。相談の有無や内容は審査に影響しません。

希望者には農家と試す機会も

応募規約によると、個人部門のファイナリストには、希望と面談での合意に応じて2027年3月から研究所のインターンとして活動する道があります。チーム部門は希望する最大2チームに、協力農家との実証と事業化に向けた伴走を用意します。

応募後のインターンと農家との実証の流れ
応募からインターンや実証までの流れ。(画像・資料提供:株式会社農情人) 出典:プレスリリース

甲斐さんによると、伴走を希望するチームは応募時に全員の同意を得て希望を選びます。希望は審査に影響しません。2027年1月にファイナリストを通知し、2月予定の面談で伴走先や実証の相手・進め方を確認。決定後に農家と顔を合わせ、3月から小さな実証を行う予定です。最終審査では希望するファイナリストが農家にオンラインで説明する機会もあります。

主催側は農家とのマッチングや検証項目の設計、事業モデルづくり、情報発信、支援者の紹介などを予定。4〜6月には月2回のオンライン定例で届け方や続け方を磨き、6月末にチームと継続を判断します。伴走は無償で報酬や出資はなく、実証にかかる実費は事前に相談します。役割、費用、成果の扱いは書面で合意し、成果物や知的財産は原則としてチームに帰属します。資金提供や事業化の成功は約束されず、起業も必須ではありません。

AIの答えは人が確かめる設計に

生成AIは作品そのものにも、企画・開発・検証の過程にも使えます。応募時には利用したサービスと場面を記載し、応募文を整えただけの利用は対象外です。有料サービスの契約は不要ですが、各サービスの利用規約を守る必要があります。

甲斐さんは、農家がAIの出力をそのまま信じず、最後は人が確かめられる設計を求めています。技や手順を扱う場合は、ベテランが納得できる表現になっているか、今の記録方法と比べて本当に楽になるかを検証することも大切だといいます。同じ情報を農家に二度入力させないこと、農家や農園の名前・写真を使う際の了承、困りごとをゲームのために作り変えないことも挙げました。実在する農家の非公開情報を使わず、公開済みの現場の声から企画を始めることもできます。

応募条件や審査・実証の詳細は公式サイトと規約で確認できます。応募は個人・チームを合わせて一人2件まで。個別相談会や実証は希望制です。

※本記事は取材回答と公開情報に基づいて制作しています。取材記事の編集方針

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