第29回TARO賞決定!震災と向き合う作品が太郎賞に輝く

第29回TARO賞決定!震災と向き合う作品が太郎賞に輝く

AKIMOTO

ライター紹介:
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「芸術は爆発だ!」でおなじみの岡本太郎。彼の名を冠したアートの祭典、 岡本太郎現代芸術賞(TARO賞) の受賞者が今年も発表されました。644点もの応募の中から選ばれた、まさに時代を映す鏡のような作品たち。一体どんな「爆発」が見られるのか、気になりますよね?

速報で発表された受賞作品の中から、特に私が注目した作品と、その魅力を独自の視点でご紹介します。これらの作品は、川崎市岡本太郎美術館で一堂に会しますので、ぜひ足を運んでみてください。

岡本太郎賞は高田哲男氏『FUKUSHIMA5000』

高田 哲男『FUKUSHIMA5000』

今年の最高賞である岡本太郎賞に輝いたのは、高田哲男さんの『FUKUSHIMA5000』です。

2026年は、東日本大震災から15年という節目の年。この作品は、被災地の地方紙などを基に、ボールペンで描かれた5,440枚もの素描から構成されています。この数字は、震災からの経過日数だそうです。

審査評には「日々の記録とのギャップが、この塊の中で一体のものとなり、わたしたちの『現在』の前にうずたかく積み重なっている」とあります。写真を見ると、その圧倒的な物量にまず息を呑みますよね。これは単なる記録ではなく、過ぎ去ったはずの時間が、今もなお私たちの前に存在し続けていることを突きつけてくるようです。個人的には、この途方もない手作業の積み重ねこそが、風化させてはいけないという強いメッセージになっていると感じました。

岡本敏子賞は馬場敬一氏『死と再生のイニシエーション』

馬場 敬一『死と再生のイニシエーション』

太郎のパートナーであり、芸術の同志でもあった岡本敏子を記念した敏子賞は、馬場敬一さんの『死と再生のイニシエーション』が受賞しました。

審査評で「最も強烈なインパクトを与えた作品」と評されている通り、段ボールに描かれた自画像や髑髏が樹脂で固められ、妖しい光を放っています。作者自身の「鬱で得た死生観」から出発し、「描き、破壊し、再構築し、固める」というプロセスを経て生み出されたとのこと。ネガティブな感情を創作のエネルギーに変えるだけでなく、その過程ごと作品にしてしまうという点に、まさに岡本太郎イズムを感じますね。

個人的に気になる!特別賞受賞作をピックアップ

特別賞も、個性豊かな作品が揃っています。その中からいくつかご紹介します。

Soma Tsuchida『自己完結型創造症候群』

Soma Tsuchida『自己完結型創造症候群』 この段ボールで構築された遺跡のような空間、なんと作者は19歳だというから驚きです。「内面世界の視覚化」をテーマに、自分の中から「発掘」したものを形にしているそうです。この偏執的とも言える熱量、まさに若さの爆発ですね。

みずかみ しゅうと『4羽のメジロのための棺桶』

みずかみ しゅうと『4羽のメジロのための棺桶』 一見すると美しい鳥の羽根に覆われた戦闘機ですが、実はこれ、「棺桶」なんです。コックピットには蛇に飲まれたメジロの雛の死骸が納められているとのこと。約3万枚もの羽根を使い、弱きものの死を悼むというコンセプトに、美しさと残酷さが同居していて、強く惹きつけられました。

吉村 大星『丁寧な対話』

吉村 大星『丁寧な対話』 この超絶技巧の色鉛筆画、実は2013年に亡くなった父であり画家でもある吉村芳生さんの作品を、全く同じ手法で模写したもの。これは単なる模写ではなく、亡き父と向き合うための「対話」なんですね。その制作プロセスを想像すると、静かな作品の奥にある強い覚悟のようなものに圧倒されます。

他にも、鑑賞者がハンドルを回して作品を削っていく櫻井隆平さんの作品など、ユニークな作品が目白押しです。

次代の才能に会いにいこう!「TARO賞」展

今回紹介した作品を含む、入賞・入選した21組の作品は、川崎市岡本太郎美術館で開催される「第29回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展」で見ることができます。

  • 会期: 2026年1月31日(土)~3月29日(日)
  • 会場: 川崎市岡本太郎美術館
  • 開館時間: 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
  • 休館日: 月曜日(2月23日を除く)、2月12日(木)、2月24日(火)
  • 観覧料: 一般 700円、高・大学生、65歳以上 500円、中学生以下は無料

写真で見るのもいいですが、アートはやはり生でそのスケールや質感を体感するのが一番です。現代を生きるアーティストたちのエネルギーを、ぜひ会場で感じてみてはいかがでしょうか。

より詳しい情報は 第29回岡本太郎現代芸術賞 公式サイト をご確認ください。

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