世界が注目!日比野設計が「建築界のオスカー」WAF 2025で最優秀賞受賞!子どもたちの未来を育む革新的なデザインに迫る
想像してみてください。子どもたちが毎日、目を輝かせながら駆け回り、心と体を存分に使うことができる幼稚園や保育園があったら。そんな夢のような空間を現実にし、さらに世界最高峰の舞台でその価値を認められた建築設計事務所があります。
今回、私が皆さんにぜひご紹介したいのは、幼児施設設計の専門家集団、株式会社日比野設計が成し遂げた、まさに快挙と呼ぶべきニュースです。彼らが手掛けた「FK Kindergarten and Nursery」が、なんと世界最大級の国際建築イベント「World Architecture Festival 2025(WAF 2025)」において、完成建築・学校部門で最優秀賞を獲得したのです!
この素晴らしい受賞は、ただの栄誉ではありません。子どもたちの成長と教育環境に対する、日比野設計の深い愛情と革新的なアプローチが世界に認められた証なのです。
WAFとは? 建築界の未来を紡ぐグローバルイベント
「WAF」という言葉を初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんね。これは「World Architecture Festival」の略で、建築業界では「建築界のオスカー」とも称されるほど権威ある国際アワード兼カンファレンスです。毎年、世界中から数百件もの応募があり、完成した建築物はもちろん、未来のプロジェクトやインテリアデザインなど、多岐にわたるカテゴリーで審査が行われます。
WAFが他のアワードと一線を画すのは、そのユニークな審査形式にあります。最終審査は 「ライブ・クリティーク(公開プレゼンテーション)」 形式で行われ、世界各国の著名な建築家やデザイナーが審査員として、出場者のプレゼンテーションを目の前で評価するのです。設計意図や社会背景、イノベーションの深さまで、立体的に審査されるため、ここで受賞することは国際的に非常に高い価値を持つとされています。
今年のWAF 2025では、世界から780件を超える応募が寄せられ、その中で日本からショートリスト(最終選考)に残ったのは、日比野設計を含むわずか6社。そして、最終的に部門最優秀賞に輝いたのは、日本からは日比野設計と日建設計の2社のみという、まさに狭き門だったのです。
そんな中で最優秀賞を受賞した日比野設計のトロフィーがこちらです。
この輝かしいトロフィーに込められた、彼らの情熱とアイデアを、次にご紹介しましょう。
最優秀賞に輝いた「FK Kindergarten and Nursery」:難題を遊びに変える魔法
今回、最優秀賞に選ばれたのは、長崎県に建設された認定こども園 「FK Kindergarten and Nursery」 です。

私がまず目を奪われたのは、その建設地の条件です。狭く高低差のある難しい敷地。普通なら「これは大変だ…」と頭を抱えてしまいそうな環境を、日比野設計は逆手に取ったのです。既存の園舎と園庭を活かしつつ、残された敷地の中で、高低差を巧みに利用した立体感と奥行きのある環境を構築しました。
子どもたちにとって、高低差は時に危険にもなり得ます。しかし、日比野設計はそれを「子どもたちが毎日駆け回り、身体と頭を使う環境」へと昇華させました。一見すると挑戦的に見える空間が、実は子どもたちの成長を促す大切な要素になっているのです。これは、単に安全な空間を作るだけでなく、「子どもたちがどう育つか」という本質に深く向き合ったからこそ生まれた発想だと感じました。
さらに、敷地形状を最大限に活かしたことで、土の搬出入をほとんどなくし、工事中の二酸化炭素排出削減にも貢献するという、環境への配慮もなされています。子どもたちの未来を育む建築が、地球の未来にも貢献している。これぞまさに、持続可能な社会に必要な建築の形ではないでしょうか。
「FK Kindergarten and Nursery」プロジェクト概要
- 所在地: 長崎県長崎市
- 設計監理: HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro + KIDS DESIGN LABO
- 敷地面積: 2730.38m²
- 建築面積: 820.53m²
- 延床面積: 1075.25m²
- 構造規模: 木造、地上2階建
園内では、子どもたちがそれぞれの場所で、思い思いに活動しています。
こんな空間でなら、毎日が新しい発見と冒険に満ち溢れそうですね。
ショートリスト選出「Cheer Kindergarten」も圧巻の空間!
今回の受賞に加え、中国深センに完成した幼稚園「Cheer Kindergarten」も同部門でショートリストに選出されました。こちらもまた、日比野設計の革新的なアプローチが光る作品です。

既存の4層吹き抜け空間を持つ建物を幼稚園として改修する際、一般的には「吹き抜けは危ないから塞ぐ」という発想になりがちです。しかし、日比野設計はここでも逆転の発想を展開しました。ダイナミックな吹き抜けを活かし、その空間に子どもたちが遊ぶための仕掛けを、まるで鳥の巣を模したオブジェとして配置したのです。
平面的な構成が多い幼稚園において、このような「超立体的な展開」は、子どもたちの相互交流を活発化させ、異年齢間のコミュニケーションを自然に促します。まるで大きな木の上で鳥の家族が暮らすように、子どもたちが様々なフロアで自由に遊び、学び合える。このソフトとハードが見事に融合したデザインは、まさに子どもたちのために考え抜かれた究極の遊び場と言えるでしょう。
見ているだけでワクワクするような空間ですね!
「Cheer Kindergarten」プロジェクト概要
- 所在地: 中国深セン市
- 設計監理: HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro
- 敷地面積: 2743m²
- 建築面積: 1110m²
- 延床面積: 4240m²
- 構造規模: 鉄筋鉄骨コンクリート造、地下1階、地上4階建
日比野設計とは? 子どもたちの未来をデザインする専門家集団
今回の受賞でその名を世界に轟かせた株式会社日比野設計は、単なる建築事務所ではありません。彼らは「幼児施設設計の専門家集団」として、子どもたちの成長と教育環境に特化したデザインを追求し続けています。
日比野設計は、幼児施設設計を専門とする「日比野設計+幼児の城」、そして福祉施設設計を専門とする「日比野設計+福祉施設研究所」という2つの専門分野で構成されています。この特化戦略が、彼らの深い知見と経験、そして何よりも子どもたちへの強い思いを育んできたのでしょう。
さらに注目すべきは、2021年3月に自社で設計・運営する保育園 「KIDS SMILE LABO」 をオープンしている点です。これは、単に設計するだけでなく、実際に保育環境の研究と実践を行い、そこから得られた知見を次のデザインへと活かすという、徹底したプロフェッショナリズムの表れです。彼らは、保育環境の総合的なコンサルティングも手掛け、未来の教育施設のあり方を常に問い続けているのです。
- 商号: 株式会社日比野設計
- 代表: 代表取締役会長 日比野 拓
- 設立: 1972年7月
- 本社所在地: 神奈川県厚木市飯山南四丁目18-1
- 事業内容: 建築設計監理業務、幼児施設及び福祉施設のコンサルティング
- 公式ウェブサイト: https://hibinosekkei.com/
- 幼児の城: https://e-ensha.com/
- 福祉施設研究所: https://hibino-fukushi.com/
- KIDS SMILE LABO: https://kidssmilelabo.com/
まとめ:未来を築く建築の力
今回のWAF 2025での最優秀賞受賞は、日比野設計が長年にわたり培ってきた専門性と、子どもたちへの深い理解が世界に認められた大きな一歩です。彼らの建築は、ただ美しいだけでなく、子どもたちの身体的・精神的な成長を促し、好奇心を刺激する「生きた教材」そのものです。
子どもたちが豊かな環境で育つことは、社会全体の未来を豊かにすることに直結します。日比野設計が提示したような革新的な教育施設が、今後さらに増えていくことを心から願っています。
あなたの身近な場所にも、子どもたちの創造性を育む、そんな素敵な建築が生まれるかもしれませんね。これからの日比野設計の活躍に、ますます期待が高まります!











