急な「困った!」にもサヨナラ!大学のトイレで始まる、新しい当たり前とは?
生理って、予期せず訪れることもありますよね。そんな時、生理用品が手元になくて焦ったり、買いに走ったり…多くの女性が一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
私もかつて、学校や外出先で急に生理になってしまい、どうしようもなく困った経験があります。友達に借りたり、売店を探したりと、あのヒヤヒヤ感は忘れられません。
そんな「困った!」をなくし、誰もが安心して過ごせる社会を目指す、ある画期的なサービスがじわじわと広がっています。そして今回、未来を担う若者たちが集まる日本工業大学 埼玉キャンパスにも、そのサービスが導入されたという嬉しい知らせが届きました。
トイレットペーパーのように「当たり前」に?話題のサービス「OiTr」って何?
私が今回注目したのは、 「OiTr(オイテル)」 というサービスです。
一言でいうと、これは女性用トイレの個室に生理用ナプキンを常備し、無料で提供するという、日本初の取り組みなんです。トイレットペーパーが当たり前のように備え付けられているように、生理用品もいつでも手に入るようにしよう、という発想から生まれています。
私たちが普段当たり前だと思っている「無料・備え付け」のサービスって、意外と少ないですよね。だからこそ、このOiTrのコンセプトを聞いたとき、「これは本当に画期的だ!」と直感しました。
OiTrの仕組みと使い方
「無料でナプキンがもらえるの?どうやって?」と思いますよね。仕組みはとってもシンプル。
- 専用アプリをダウンロード: 無料のOiTrアプリをスマホに入れます。
- ユーザー登録: アプリ内で簡単な登録を済ませます。
- 設置場所で受け取る: OiTrが設置されている施設のトイレに行き、アプリを操作するとディスペンサーからナプキンが1枚出てきます。
一度受け取ると、次の受け取りまで2時間の制限があり、25日間で最大7枚まで受け取れるようになっています。急な時に本当に必要な人が利用できるように、きちんと工夫されているんですね。
現在、OiTrは全国の**28都道府県、307施設に3,445台 **(2025年6月時点)も設置されているそうです。商業施設や交通機関、公共施設、オフィスなど、様々な場所で見かける機会が増えているんですよ。あなたの近くにもあるかもしれませんね。
なぜ今、トイレに生理用品が必要なの?サービスの背景にある社会課題
OiTrが登場した背景には、「生理の貧困」と呼ばれる社会課題があります。
「生理の貧困」と聞くと、経済的な理由で生理用品を買えないことだけを想像しがちですが、実はもっと広い意味を含んでいます。生理用品だけでなく、清潔な水や衛生的な環境、さらには生理や体に関する正しい教育にアクセスできない状態も含まれるんです。これは、個人の問題ではなく、社会全体で向き合うべき課題だと考えられています。
また、2019年のジェンダーギャップ指数で日本が153ヵ国中121位だったことにも触れられていますが、この指数には女性の健康課題も含まれています。女性の社会進出が進む一方で、生理に伴う心身の負担、経済的な影響、さらにはキャリア形成における機会損失なども問題視されています。
OiTrは、このような社会課題をビジネスの力で解決しようとする「ソーシャルビジネス」の一環として生まれました。「いつでも、誰もが、安心して生理用品を手に入れられる」状態を作ることで、生理に伴う様々な負担を軽減し、女性がより安心して社会生活を送れるようにサポートしているのです。
まさに「あなたによくて、社会にいいこと」というビジョンを体現したサービスと言えるでしょう。
未来を育む学び舎へ:日本工業大学にOiTrがやってきた!
そして今回、この素晴らしいOiTrが新たに導入されたのが、日本工業大学 埼玉キャンパスです。2025年7月5日からサービスが始まりました。
埼玉県の南埼玉郡にあるこのキャンパスには、約4,000人の学生が「実工学」を学ぶために通っています。そのうち女子学生は約400人、全体の約10%を占めているそうです。
大学側は、これからの工学・技術分野の発展には「多様性」が不可欠だと考えており、性別にとらわれない学びの環境整備に力を入れているとのこと。
OiTrの導入も、そうした多様性への配慮と学生サポートの一環です。急な生理で不安になったり、授業に集中できなかったりすることがないよう、安心して学べる環境を整えたいという大学の温かい想いが伝わってきます。
日本工業大学では、OiTrの他にも女性専用パウダールームの設置や、体調不良時に利用できる生理休養制度(F休養) の導入など、女子学生がキャンパスライフをより快適に、より充実して送れるようなサポート体制を整えているそうです。
今回、日本工業大学 埼玉キャンパスに設置されたOiTrは6台。設置場所の詳細はこちらで確認できます。
大学という、まさに未来を創る若者が集まる場所で、このような「やさしさ」が行き届くのは素晴らしいことですよね。「困った時に助けてもらえる」という安心感は、学びへの集中力やキャンパスライフの質にも大きく影響するはずです。
これからの社会に求められる「やさしさ」の形
OiTrのようなサービスの広がりや、日本工業大学のような教育機関での導入は、単に生理用品を無料で提供するというだけでなく、社会全体が生理に関する課題や女性の健康にもっと目を向け、誰もが安心して過ごせる環境を作ろうという意識の変化を表しているように感じます。
「生理は恥ずかしいこと」「自分でなんとかすべきこと」という古い考え方ではなく、「誰もが経験する自然なことだから、社会全体で支え合おう」という新しい常識が根付いていくきっかけになるのではないでしょうか。
トイレットペーパーのように、生理用品が当たり前のようにトイレに備え付けられる社会。そして、生理に伴う心身や経済的な負担で、誰かが学びや活躍の機会を諦めることがない社会。
OiTrのプロジェクトが目指す、そんな未来が一日も早く訪れることを願っています。
あなたの学校や職場、よく行くお店にも、OiTrがあったらどう思いますか? ぜひ、このサービスに関心を持って、周りの人と話してみてください。小さな一歩が、きっと社会をより良い方向へ動かすはずです。
OiTrについてもっと知りたい方へ
- 公式サイト: https://www.oitr.jp
- 公式メディア「いつでもオイテル」: https://oitr.jp/media/
- お問い合わせ: https://www.oitr.jp/contact/