Mマウントユーザー必見!コシナからフォクトレンダーF1.2大口径レンズ2本が生まれ変わって登場
ライカMマウント互換のVMマウントレンズ。その中でも特に人気のある「F1.2」という明るい開放F値を持つ大口径レンズが、コシナからリニューアルして登場しました。フォクトレンダーブランドから発表されたのは、「NOKTON 35mm F1.2 Aspherical IV VM-mount」 と 「NOKTON 50mm F1.2 Aspherical II VM-mount」 の2本です。
実はこれらのレンズ、以前のモデル(III型と初代)も評価が高かったんです。それが今回、さらに使いやすく、そしてちょっとだけスタイリッシュになって帰ってきました。Mマウントシステムで、とろけるような大きなボケを楽しみたい、でもレンズはなるべくコンパクトに持ち歩きたい...そんなワガママな願いを叶えてくれるかもしれない、注目の新製品です。
概要:手に取りたくなる進化、大口径レンズがさらに軽く
今回のリニューアル、一番のポイントは何と言っても軽量化です。
前モデルの35mm F1.2 IIIは332g、50mm F1.2は347gでした。それが今回のIV型、II型では、35mmが300g、50mmが322gへとダイエットに成功しています。数字だけ見るとわずかかもしれませんが、一日中カメラを持って歩くとき、この数十グラムの差は意外と大きいんですよね。特にM型ライカなどのコンパクトなボディに装着した際のバランスは、軽くなったことでより快適になるはずです。
「F1.2」という、現在の交換レンズではトップクラスに明るい開放F値。これを実現しつつ、こんなにコンパクトで軽いというのは、正直驚きです。一眼レフ用のF1.2レンズなんて、大きくて重たいイメージが強いですからね。コシナさんの技術力にはいつも感心させられます。
そして、デザインも少し変わりました。レンズの先端部分がシルバーからブラック仕上げになったことで、全体的に引き締まった印象になりました。これは、よりモダンなカメラボディに装着したときも馴染みやすそうですね。
NOKTON 35mm F1.2 Aspherical IV VM-mount:定番焦点距離でボケを追求
まずは35mm。この焦点距離は、ストリートスナップからポートレート、風景まで幅広く使える人気の画角ですよね。
新しいNOKTON 35mm F1.2 IVは、その使いやすい35mmで、圧倒的なF1.2のボケ表現を可能にします。被写体を浮かび上がらせるような、大きく美しいボケ味は、このレンズ最大の魅力と言えるでしょう。
光学系は、前モデルで定評のあったものを踏襲しているとのこと。つまり、描写力はそのままに、機構部分の改良で軽量化と使い勝手の向上を実現したというわけです。非球面レンズもしっかり採用されているので、絞り開放からシャープな描写も期待できます。
特に私が注目したのは、その 軽さ(300g!) です。Mマウントボディとの組み合わせなら、本当に軽快に持ち歩けそうです。最短撮影距離は0.5mと、Mマウントレンズとしては標準的ですが、距離計連動は0.7mまで。それより短い距離での撮影は、ライブビューなどで確認する必要がある点は覚えておきましょう。
スペック概要 | 35mm F1.2 IV VM |
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焦点距離 | 35mm |
口径比 (開放F値) | 1:1.2 |
レンズ構成 | 7群9枚 |
絞り羽根枚数 | 12枚 |
最短撮影距離 | 0.5m |
重量 | 300g |
フィルターサイズ | Φ52mm |
NOKTON 50mm F1.2 Aspherical II VM-mount:標準レンズで味わう圧倒的ボケ
そして、もう1本は50mmです。50mmと言えば、人間の視野に近いとされる「標準レンズ」。クセがなく、見たままに近い自然な写真が撮れることから、多くのフォトグラファーに愛される焦点距離です。
このNOKTON 50mm F1.2 IIは、「ハイスピードスタンダードレンズ」という言葉がぴったりの存在。標準レンズでありながらF1.2という明るさで、背景を大きくぼかした印象的なポートレートはもちろん、暗い場所での撮影でも威力を発揮します。
光学系には、2枚の両面非球面レンズを採用。これにより、絞り開放のF1.2から画面全体に渡って高い解像感と少ない収差を実現しているとのこと。開放から「安心して使える性能」というのは、大口径レンズを選ぶ上で非常に重要なポイントですよね。
こちらも軽量化されており、重量は322g。50mm F1.2クラスのレンズとしては、これも驚くほどコンパクトに仕上がっています。光学式ファインダーでの覗きやすさや、マニュアルフォーカスリングの適度なトルク感など、Mマウントカメラでの撮影体験をより豊かにしてくれるはずです。
スペック概要 | 50mm F1.2 II VM |
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焦点距離 | 50mm |
口径比 (開放F値) | 1:1.2 |
レンズ構成 | 6群8枚 |
絞り羽根枚数 | 12枚 |
最短撮影距離 | 0.7m |
重量 | 322g |
フィルターサイズ | Φ52mm |
見逃せない細かいこだわりポイント
今回のリニューアル、単なるマイナーチェンジではないなと感じる点がいくつかあります。
まず、総金属製の鏡筒。これがフォクトレンダーレンズを手に取ったときの「道具としての所有欲」を満たしてくれます。剛性感があり、長く使えそうな安心感があります。もちろん、マニュアルフォーカスリングや絞りリングの操作感も期待できますね。
そして、12枚の絞り羽根。これは美しい円形のボケ、特に玉ボケを期待できるポイントです。絞っても形が崩れにくいので、ポートレートなどで背景を少し絞って写し込みたいときなどにも、自然な描写が得られそうです。
さらに、別売りの専用レンズフードも新設計。特にM型ライカのようなカメラで光学ファインダーを覗く際、フードの一部がファインダーを遮ってしまうことがあります。新しいフードは、ファインダーを極力さえぎらないようスリット位置が考慮されているとのこと。細かい点ですが、Mマウントユーザーにとっては嬉しい改良ですね。しかも、収納時にリバース装着(逆向きに装着してコンパクトにする)が可能になったのも、持ち運びの際に便利になりました。
気になる価格とコスパは?
さて、一番気になるのは価格かもしれません。
- NOKTON 35mm F1.2 Aspherical IV VM-mount: ¥148,500 (税込)
- NOKTON 50mm F1.2 Aspherical II VM-mount: ¥148,500 (税込)
- 別売レンズフード LH-14: ¥13,200 (税込)
- 別売レンズフード LH-15: ¥16,500 (税込) (50mm用、LH-14も使用可)
レンズ単体で約15万円。これは、Mマウントレンズとしては決して安価な部類ではありません。しかし、F1.2という超大口径、総金属製で確かな作り込み、そしてこのコンパクトさ・軽量化を実現している点を考えると、どうでしょうか。
例えば、ライカ純正のF1.2やF1.4クラスのレンズは、桁違いの価格帯になります。それに比べると、この価格で「F1.2」という体験ができるのは、非常に魅力的な選択肢と言えるのではないでしょうか。特に、Mマウントボディで本格的なボケ表現や暗所性能を追求したい方にとって、この価格設定は 「高性能な大口径レンズを手に入れるための現実的なコストパフォーマンス」 だと私は感じます。
もちろん、別売りのフードも揃えると追加の出費にはなりますが、使い勝手や所有感を高めるアイテムとして検討する価値は十分にあるでしょう。
いつ、どこで手に入る?
この新しいレンズたちは、2025年5月23日に発売予定です。
購入方法としては、全国のカメラ販売店やオンラインストアなどで取り扱われることが予想されます。人気モデルのリニューアルなので、もしかすると品薄になる可能性もゼロではありません。もし「これは!」と思った方は、発売日をチェックして、早めに予約などを検討してみるのが良いかもしれませんね。
製品に関する詳しい情報は、コシナの公式サイトで確認できます。また、直接問い合わせたい場合は、以下のカスタマーサービスも利用できますよ。
- 株式会社コシナ カスタマーサービス室
- 電話番号:0269-22-5106 (受付時間9:00〜12:00, 13:00~16:30)
- メールアドレス:[email protected]
- お問い合わせフォーム:https://www.cosina.co.jp/contact/
コシナさんは、長野県で光学デバイスの設計から製造まで一貫して行っている、日本の誇るメーカーさんです。カールツァイスとの共同開発や、こうしたフォクトレンダーブランドのレンズ開発など、常に高いレベルのモノづくりを追求されています。コシナさんのウェブサイトを見れば、そのこだわりの一端に触れることができますよ。
まとめ:Mマウントで楽しむ「小さくて明るい」新定番?
今回のフォクトレンダー NOKTON 35mm F1.2 IVと50mm F1.2 IIは、単なるモデルチェンジではなく、ユーザーの声に耳を傾け、携帯性と使い勝手をさらに高めた進化版だと感じました。
「大口径なのにコンパクトで軽い」という、このレンズシリーズが元々持っていた魅力をさらに磨き上げ、デザインも現代的になったことで、Mマウントの世界に新しい風を吹き込んでくれるのではないでしょうか。
「Mマウントカメラで、とろけるようなボケを活かしたポートレートを撮りたい」「暗い路地でのスナップでも手ブレを気にせず撮りたい」――そんな願いを持つ方にとって、これらの新しいNOKTONレンズは、きっと強力な相棒になってくれるはずです。
皆さんは、この2本、どちらが気になりますか? それとも、両方手に入れて使い分けたいですか? ぜひ、ご自身のカメラライフに合う一本を検討してみてくださいね!