脳神経内科医の米山公啓さんが母の認知症介護を記した「医者が認知症の母を介護するとき」が、2026年10月28日に新版として刊行されました。医師である著者と父が、家族として悩みながら介護に向き合った日々をつづった一冊です。
発行元のロングテールに、新版を届ける背景と内容、読みやすい版面への工夫を聞きました。
医師であり家族でもある視点から介護を記録
発表によると、本書は母の変化を受け止めながら家族が介護を続けた記録を改題・加筆修正したものです。出版社によると、集英社文庫版の第1刷は2003年7月25日。新版は2026年10月28日の刊行です。
ロングテールは、介護保険や施設の選択肢が増えても、親の認知症に向き合う家族の迷いや孤独は本質的に変わっていないと考えています。専門知識を持つ医師でも思いどおりにはいかなかった経験が、介護中の人の心を軽くし、家族で話し合うきっかけになればと新版を企画したそうです。

著者が母を見送ってから28年を経た今も、自宅で看取れなかったことへの後悔を抱えていること、望む最期について早めに家族で話し合ってほしいという思いも、新版に込められているといいます。
用語と制度を見直し、はじめにとあとがきを新たに
新版では書名や本文の当時の「ぼけ」「痴呆」という表記を「認知症」に改め、介護制度の変化も見直しました。書き下ろしの「はじめに」では現在の認知症医療と介護の変化を、あとがきでは自宅で看取れなかった後悔と最期について家族で話し合う大切さを扱っています。
大きな文字とUDフォントを採用したペーパーバックとしたのも新版の特徴です。出版社は、介護に向き合うシニア層も想定し、紙の本を快適に読めることを目指したと説明。25年以上のDTP組版設計の研究と読者のフィードバックをもとに、内容に合わせてフォント、文字の大きさ、行間、ストローク、行数を決めたそうです。
書籍情報
新版はA5判、250ページ、税込1,870円。ISBNは978-4-911898-01-7です。内容や購入方法は書籍紹介ページで確認できます。
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