未来の移動は「体験」になる!愛知県発、e-Paletteが描く新しい都市生活
皆さんは、毎日の通勤や旅行中の移動で「もっとこうだったらいいのに」と感じたことはありませんか? ただ目的地にたどり着くだけではない、移動そのものが楽しく、効率的で、そして持続可能なものになる——そんな未来が、愛知県を舞台に形になりつつあります。
今回、私が注目したのは、トヨタ自動車が開発した次世代モビリティ「e-Palette」を活用し、愛知県が主導する画期的な新事業創出プログラムです。スタートアップ支援のプロフェッショナルであるTECHFUNDと、日本最大のスタートアップ支援拠点STATION Aiが連携し、この未来のプロジェクトを強力にバックアップしています。
想像してみてください。自動運転のバスに乗り込んだ瞬間、そこはもう目的地への移動空間ではなく、特別なエンターテインメント空間。あるいは、必要な時に必要な場所へ、まるでパーソナルカーのように迎えに来てくれるモビリティ。そして、それらが常に最適なルートで、電力切れの心配もなく走り続けるとしたら?
これらは全て、愛知県で実際に進められている実証実験のテーマなのです。
未来を乗せた箱型モビリティ「e-Palette」とは?

まずは、この物語の中心にある「e-Palette」についてご紹介しましょう。
e-Paletteは、トヨタ自動車が「モビリティサービス専用EV(電気自動車)」として開発した、未来的な箱型モデザインの車両です。特徴的なのは、その柔軟性と多目的性。
- 広々とした室内空間: 開放感があり、多様なサービス展開が可能。
- バリアフリー設計: 低床で大開口ドア、車高調整機能やスロープを備え、誰もが利用しやすい。
- 用途の多様性: 物流、移動店舗、オフィス、医療など、車内を換装することで様々なサービスを一台で提供できるポテンシャルを秘めています。
愛知県は、このe-Paletteが持つ可能性に着目し、地域の課題解決や新たな価値創造を目指す企業を募る新事業創出プログラムを立ち上げました。まさに、未来のモビリティ社会のひな型をこの地で作ろうとしているのです。
- さらに詳しく知りたい方はこちらへ:
- 愛知県のAichi-Startup戦略
- トヨタ自動車「e-Palette」について
イノベーションの「加速装置」TECHFUNDと「拠点」STATION Ai
愛知県の壮大なビジョンを実現するためには、それを支える強力なパートナーが不可欠です。そこで手を組んだのが、スタートアップ界の二大巨頭です。
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TECHFUND: 「あらゆるビジョンが夜明けを迎えられるようにする」をミッションに掲げるアクセラレーター(新規事業の成長を加速させる専門家集団)です。彼らの強みは、単なる資金提供にとどまらず、事業の構想段階からプロダクト設計、技術検証、そして実際の社会実装までを一貫して伴走支援する点にあります。技術的な知見と事業化ノウハウを融合させることで、アイデアが「絵に描いた餅」で終わることを防ぎ、現実のサービスとして花開かせます。
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STATION Ai: 愛知県が整備する日本最大級のスタートアップ支援拠点です。700社を超える国内外のスタートアップ企業が集い、パートナー企業、VC(ベンチャーキャピタル)、大学など多様なステークホルダーが連携。オフィス環境の提供はもちろん、勉強会、メンタリング、マッチング機会を通じて、スタートアップの成長を多角的にサポートしています。

TECHFUNDがその専門的な知見で個々のスタートアップを伴走支援し、STATION Aiがその広大なネットワークとエコシステムで全体を包み込む。この強力なタッグが、愛知県の描く未来型モビリティ社会の実現を力強く推進しているのです。

【実証実験ハイライト】未来の移動体験は「3つの視点」で進化する!
このプログラムでは、e-Paletteの可能性を最大限に引き出すため、 「エンタメ」「運行効率」「インフラ」 という3つの異なる視点から実証実験が進行中です。これこそが、単なる移動手段ではない、e-Paletteの真価を問う挑戦と言えるでしょう。
1. 移動がテーマパークに!?「没入型エンタメ移動体験」
第1弾の実証実験は、博報堂プロダクツが手掛けた 「移動のエンタメ化」 です。

- 実施内容: 立体音声技術(協力:クレプシードラ株式会社)をe-Paletteに搭載。名古屋を代表するアイドルグループSKE48やBOYS AND MENのメンバーが、まるで隣にいるかのような臨場感あふれる音声コンテンツを提供しました。名古屋駅から市内の観光地を巡る移動が、まるでVR空間にいるような没入感で楽しめるのです。
私がこの話を聞いて真っ先に思ったのは、「これぞ時間というコストの最大活用だ!」ということ。移動中に退屈な時間を過ごすのではなく、特別な体験に変えることで、観光客の満足度を飛躍的に向上させ、地方創生にも貢献する可能性を秘めています。移動そのものがコンテンツになる、この発想にはワクワクが止まりませんね。
2. 都市の「血流」を最適化!「オンデマンド型運行」の効率化
続いて第2弾は、Crystal株式会社による 「運行効率の最適化」 。

- 実施内容: JR名古屋駅やSTATION Aiを含む市内6拠点を結ぶルートで、予約制のオンデマンド運行を検証。利用者はスマートフォンで簡単に予約し、スムーズに乗車できる仕組みです。
- 検証目的: リアルタイムの移動需要データに基づき、e-Paletteが最も効率的に巡回できるルートを導き出すアルゴリズムを検証しました。
これは、まさに都市の 「血流」を最適化する試み。必要な時に、必要な場所へ、無駄なくモビリティを配置することは、交通渋滞の緩和、環境負荷の低減、そして利用者の待ち時間削減という点で、計り知れないメリットをもたらします。MaaS(Mobility as a Service:あらゆる移動サービスを統合し、一つのサービスとして提供する概念)事業の収益性向上にも直結する、非常に実用的な実証と言えるでしょう。長期的に見れば、運行コストの削減は、我々利用者の運賃という「コスパ」にも好影響を与えるはずです。
3. 持続可能なモビリティへ!「ワイヤレス給電」が常識を変える
そして今後始まる第3弾は、株式会社パワーウェーブによる 「次世代ワイヤレス給電技術」 の実証です。
- テーマ: モビリティの普及における最大の課題の一つである「充電」の手間を解消。走行中や停車中にワイヤレスで給電を行う技術を検証します。
電気自動車が普及する中で、充電ステーションの確保や充電時間の長さは常に課題として挙げられますよね。もし、走行中や短時間の停車中にワイヤレスで自動的に給電できるとしたら、どうでしょう?
バッテリー切れの心配が減り、充電の手間から解放されれば、e-Paletteのようなサービス型モビリティはさらに利用しやすくなります。これは、モビリティの運用コスト(手間暇含む)を大幅に削減し、持続可能な社会インフラを支えるための重要な一歩となるでしょう。まさに、未来の都市生活をインフラ面から支える、縁の下の力持ちのような技術ですね。
この未来、いつ体験できる?今後の展望と私たちができること
今回ご紹介した3つの実証実験は、それぞれ異なる角度からe-Paletteの可能性を探るものです。しかし、共通しているのは「移動を再定義し、より良い社会を創る」という強い意志です。
愛知県とSTATION Ai、そしてTECHFUNDがリードするこの取り組みは、単なる技術検証にとどまらず、ビジネスモデルの創出、そして社会実装を見据えています。実証実験で得られた知見が、やがて私たちの日常に溶け込み、移動の常識を大きく変えていく日が来るかもしれません。
名古屋を訪れる際は、ぜひSTATION Aiの動向や、e-Palette関連のイベント情報をチェックしてみてください。将来、皆さんがこれらの未来のモビリティを体験する機会が訪れることを、私も心から楽しみにしています。
- STATION Ai 公式ホームページ:https://stationai.co.jp/
- TECHFUND 会社ホームページ:https://techfund.jp
まとめ
愛知県が推進するe-Paletteを活用した新事業創出プログラムは、TECHFUNDとSTATION Aiの強力な連携のもと、未来のモビリティ社会の姿を具体的に示してくれています。
- 博報堂プロダクツによる 「没入型エンタメ」 で移動が観光体験に。
- Crystalによる 「運行効率化」 で都市のモビリティがよりスマートに。
- パワーウェーブによる 「ワイヤレス給電」 で持続可能なインフラが実現へ。
それぞれの実証実験は、私たちの生活をより豊かに、より便利に、そしてよりエキサイティングにする可能性を秘めています。未来の移動がどう変わっていくのか、引き続き注目していきましょう!











