愛知・岡崎発!中小企業を次々と成功に導く「オカビズ」の驚異の12年と、未来を拓く新たな挑戦
愛知県岡崎市に、まるで魔法使いのようなビジネス相談所があるのをご存知でしょうか? その名も 「オカビズ」 。開設から12年で約2.9万件もの相談を受け、行列が絶えないと評判のこの場所が、今、地域の中小企業を次々と成功へと導き、大きな注目を集めているんです。
私も「なぜこれほど多くの事業者がオカビズに惹きつけられるのだろう?」と、その秘密を探ってみました。今回発表された「12周年活動報告書」を読み解きながら、その魅力と未来への挑戦に迫ります。
12年間で約2.9万件の相談実績!「行列の絶えない相談所」の信頼の秘訣
オカビズは、岡崎市が2013年10月に設立した公的産業支援機関です。その最大の特徴は、中小企業の 「売上アップ」に特化したサポートを提供している点にあります。
驚異の数字が語る「信頼」
数字は時に雄弁です。オカビズが積み重ねてきた実績は、まさに「信頼」の証そのものだと言えるでしょう。
相談員と活発な議論が交わされる相談の様子。真剣な眼差しが伺えます。
- 相談件数: 累計**29,201件 **(4,487社)
- 予約稼働率: 約100%(常に満席状態!)
そして、私が特に驚いたのは、その 「口コミ力」 と 「リピート率」 の高さです。
新規相談の約8割が口コミ・紹介からという驚異の数字。まさに「選ばれる場所」です。
- 新規相談きっかけ: 口コミ・紹介が78.9%
- リピート率: 85.2%
一度相談した方が再び訪れるリピート率は85.2%。相談者の期待を上回る提案が、この高リピート率を支えているのでしょう。
これらの数字は、一度利用した事業者が「役に立った!」と感じ、友人や知人に自信を持って薦める、そして自身も繰り返し利用するという、極めて健全な信頼関係が築かれていることを示しています。単なる情報提供に終わらず、具体的な売上アップに繋がる「伴走支援」が、これほどの支持を集める秘訣なのでしょう。
「相談から生まれたヒット商品」具体的な成功事例に学ぶオカビズ流
「売上アップに特化」と言っても、具体的にどんな支援をして、どんな成果が出ているのか気になりますよね。活動報告書からは、既成概念を打ち破るようなユニークな発想と、綿密な戦略立案でヒット商品を生み出している事例が多数紹介されています。その中から2つ、私が特に感銘を受けた事例をご紹介します。
成功事例1:老舗洋菓子店が百貨店の外商を席巻!『ガトータツミヤ』
創業1930年の老舗洋菓子店「ガトータツミヤ」。売上が落ち込む中、新たな看板商品を求めてオカビズに相談しました。
ガトータツミヤの新しい看板商品が大ヒットした背景にある緻密な戦略
オカビズが着目したのは、ガトータツミヤが持つ 「特殊な技術を活用したバタークリーム」 。これを単なるお菓子としてではなく、「高級バター好き」をターゲットにした、まったく新しい商品として提案しました。
結果生まれたのは、その名も 『バターサンドのバタークリームだけいっとく?』 という、インパクトのある商品! この独創的なネーミングとコンセプトが功を奏し、発売前から百貨店の外商フロアでの取り扱いが決定。ECサイトでは1ヶ月で50セットを完売し、全国のバター好きから注文が殺到する大ヒットとなりました。他業種からのコラボ依頼も相次ぐなど、事業の新たな可能性を大きく広げています。
成功事例2:年間3万個超えのヒット!ポン菓子『オン・ザ・玄米』に秘められたストーリー
機械設計製造と菓子製造を手掛ける「有限会社ウイポップ」は、ポン菓子のOEM生産を伸ばすために自社商品を有名にしたいと相談。
健康志向のニーズを捉えたウイポップの「オン・ザ・玄米」は、ポン菓子の常識を覆しました。
オカビズは、同社が作る 「少量の玄米のみでできた無添加・ノンフライのヘルシーな玄米せんべい」 に注目。これを、単なる「お菓子」ではなく、欧米で人気の「ライスケーキ」のように、健康志向の人々をターゲットにした「ヘルシーな主食」 として打ち出すことを提案しました。
そして誕生したのが、新商品 『オン・ザ・玄米』 。地元レストランとのコラボで食事レシピを提案し、販路を拡大。年間3万個以上を売り上げるヒット商品に成長しました。さらに、玄米だけでなく野菜や豆を使ったポン菓子も展開し、雑貨店にも販路を広げるなど、新たな市場を開拓しています。
これらの事例から見えてくるのは、オカビズが単に「何を売るか」だけでなく、「誰に」「どのように」届けるかを徹底的に深掘りし、事業者の強みを新しい視点で再構築する力に長けている、ということではないでしょうか。
13年目の挑戦!「ものづくり」と「アトツギ」への本気
さて、12年間でこれほどの実績を積み上げてきたオカビズが、13年目の今年、どのような未来を描いているのか、私も非常に興味深く感じました。彼らが次の柱として掲げるのは、ずばり 「製造業支援」と「中小企業の後継者(アトツギ)支援」 です。
なぜ今、「ものづくり」と「アトツギ」なのか?
岡崎市では、事業所全体の約11%を製造業が占め、その約8割が単独事業所という特徴があります。これは、関税や原材料価格の高騰、人手不足といった外部環境の変化に直撃を受けやすい、という構造的な課題を抱えていることを意味します。
だからこそ、オカビズは地域経済の要である「ものづくり」を、他機関と連携しながら一層強化し、事業者の強みを引き出し、新しい挑戦へとつなげる伴走支援を強化していくと表明しています。
また、もう一つの柱である「アトツギ」支援。ここで言う「アトツギ」とは、単に家業を継ぐ人だけでなく、革新的な視点で事業を成長させる次世代の経営者を指します。彼らが挑戦しやすい環境を整え、事業承継から新たな成長へとつなげることは、地域経済の持続可能性を高める上で不可欠な要素と言えるでしょう。
2025年10月7日、岡崎市長への表敬訪問では、13年目の重点施策について熱い説明が交わされました。
13年目のオカビズ、4つの柱で地域を活性化
具体的な取り組みとして、以下の4つの柱を掲げています。
- 経営者の学びとスキルアップ支援: 新事業開発、BCP(事業継続計画)、デジタル化など、経営者の多様な課題に伴走。製造業には実践的な勉強会やゼミを充実させ、競争力強化を後押し。
- 後継者「アトツギ」支援: ネットワークづくりや勉強会を通じ、次世代経営者が挑戦しやすい環境を整備し、新たな成長へ。
- 岡崎の挑戦の見える化: 消費者から見えにくい製造業の取り組みに光を当て、「ものづくり岡崎」の魅力を地域内外へ発信。
- 新たなビジネスの創出支援: 起業・創業を支援し、製造業の新しいビジネスへの挑戦を後押し、地域全体のイノベーションを促進。
これらは、まさに 「岡崎市を挑戦者があつまるまちに」 というオカビズのビジョンを体現するものです。
2025年10月14日開催の12周年記念イベントでは、地域のアトツギたちが熱いプレゼンテーションを披露。未来への情熱が会場を包みました。
あなたも「挑戦者」になりませんか?
「こんな支援が自分のビジネスにもあったら…」そう感じた方も多いのではないでしょうか? オカビズの事例を読み進める中で、私は地域の中小企業が持つ潜在能力の大きさと、それを引き出す「プロフェッショナルな伴走者」の存在がいかに重要かを強く感じました。
もしあなたが、 「今のビジネスをもっと伸ばしたい」 、あるいは 「新しい一歩を踏み出したいけれど、どうすればいいか分からない」 と感じているなら、岡崎のオカビズが、その答えを見つける手助けをしてくれるかもしれません。
地域に根差し、真摯に事業者の課題と向き合うオカビズの挑戦は、これからも多くの感動と成功を生み出し続けることでしょう。
岡崎ビジネスサポートセンター オカビズ 詳細情報
- 名称: 岡崎ビジネスサポートセンター・オカビズ
- HP: https://www.oka-biz.net/
- 所在地:
- 岡崎市図書館交流プラザ・りぶら2F (〒444-0059 愛知県岡崎市康生通西4-71)
- イオンモール岡崎 3F (〒444-0840 愛知県岡崎市戸崎町外山38-5)
- 受付時間: 10:00~12:00、13:00~16:30
- 定休日: 土曜・日曜 ※りぶらは水曜日全館休館につき休業
- 12周年活動報告書: https://www.oka-biz.net/media-download/110/f2a2b5be903a11b3/PDF/