マラソン大会を走り終えた後、ゼッケンを留めていた安全ピンをどうするか。BIB-IT.の「安全ピン回収ボックス」は、参加者が返す場所を設けるだけでなく、回収に協力する主催者の手間を減らすために作られた道具です。開発・販売を手がける株式会社RECOLTZに、箱の工夫と集めたピンのその後を聞きました。
箱を用意する手間と、設置場所の悩みから
RECOLTZは以前から安全ピンの回収に取り組んでいました。今回新たに提供するのは、使用済みと未使用を一つの箱で分けて集められる専用ボックスです。同社によると、これまでは主催者が空き段ボールなどで簡易的な回収箱を用意しており、その手間もあって設置を断られることが多かったといいます。
1つのボックスで、コンパクトに使用済み、未使用を分別投入できる仕様にすることで、設置場所も少なくて済むようになり、設置を断られることが減りました。
――株式会社RECOLTZの取材回答より
箱の上面には、青い「未使用」と黄色い「使用済み」の投入口が並びます。未使用側には小袋に入れたまま、使用済み側には小袋から出して入れる表示があり、参加者が分別する際の目印になっています。

同社のプレスリリースによると、箱は幅41cm・奥行20cm・高さ27cmの段ボール製。折りたたんで保管でき、複数のイベントで繰り返し使える仕様です。

更衣室や総合案内を勧める理由
回収箱をどこに置くかは、各主催者に任せているそうです。RECOLTZは、それぞれの大会で実際に置かれている場所までは把握していないとしたうえで、更衣室や総合案内などを勧めています。ユニフォームを脱ぐ際にゼッケンを外すことが多いと考えているためです。
一方、同社自身が出店する際は、ブースの店頭に箱を設置しています。回収箱を見つけ、その場でユニフォームから安全ピンを外して協力するランナーも多いとのこと。実際の設置経験と、主催者への設置場所の提案を分けて教えてくれました。

返送は二つに分ける。細かな仕分けはRECOLTZで
回収した後、主催者はどこまで整理して返せばよいのでしょうか。今回のボックスについて、同社は次のように説明しています。
なるべく主催者様の手を煩わせないように、回収したものをそのまま、使用済みと未使用を袋などに分けて入れて発送していただいています。 あとは弊社で仕分けします。
――株式会社RECOLTZの取材回答より
今回の返送手順では、主催者が個数ごとに細かくそろえる必要はなく、使用済みと未使用を分けることが基本です。未使用品は大会で配布された小袋から出さずに扱います。公開案内では、袋から出したものは未使用であっても使用済み扱いとされています。返送先は箱に記載されたRECOLTZで、返送料は主催者負担です。
次の大会で使うために、何を確かめるのか
届いた安全ピンの扱いも、取材で具体的に分かりました。同社は未使用品について、大会で配布されたままの小袋に入り、目視で錆などがないものだけを未使用として扱っています。そのうえで4個入りと8個入りを選別し、次の大会で使用するそうです。
使用済みのものは、洗浄と薬剤による防錆処理を施してから小袋に入れ、次の大会で使います。ただし、錆がひどく、処理後もウェアを汚すおそれのあるものは、安全ピンとしての再使用が難しいと判断しています。
そうしたピンについては、鉄屑リサイクル業者への引き渡しを検討中とのこと。まだ数が少ないため検討段階にあるという回答で、すでに金属資源として再利用されていると確認できたわけではありません。回収後の工程を聞くことで、次の大会でピンを再使用する取り組みと、今後検討する資源リサイクルの違いが見えてきました。
利用する前に確認したい提供条件と回収対象
公式の提供案内では、BIB-IT.を取り扱う大会・イベントには無償で提供し、それ以外の大会・イベントには2枚1組2,200円(税込・送料込み)の環境活動協力金で提供しています。無償提供でも一部送料を負担する場合があることは、プレスリリースに明記されています。
回収対象は、マラソン大会などのスポーツイベントで配布された安全ピンです。家庭で購入・使用した安全ピンや、プラスチック部品付き、大きなサイズのものなどは対象外とされています。対象外のものは着払いで返送される場合があるため、参加者への案内にもリリースの回収上の注意点を確認しておくとよいでしょう。
箱の用意、会場での分別、返送後の仕分け。RECOLTZの回答から分かったのは、回収への協力を頼むだけでなく、主催者が担う作業を少なくするための工夫でした。大会の規模にかかわらず取り組める仕組みとして、箱と回収後の流れを一緒に整えています。
※本記事は株式会社RECOLTZの取材回答と公開情報をもとに制作しています。写真は同社プレスリリースの掲載素材で、編集部による現地取材・使用検証の写真ではありません。提供条件は2026年10月26日の確認時点。制作についてはMONOLABの取材記事の編集方針をご覧ください。






