「能って、なんだか少し難しそう…」なんて思っていませんか?実は、そこには現代の私たちにも通じる、濃密な人間ドラマが詰まっているんです。特に今回の川崎市定期能は「宴」がテーマ。華やかさ、悲しみ、そして駆け引きが交錯する世界を覗ける、またとない機会かもしれません。
2026年3月14日(土)に川崎能楽堂で開催される『第137回川崎市定期能』は、「宴」に注目したシリーズの第三弾、つまり最終回にあたります。これがまた、一筋縄ではいかない演目なんです。

見どころは「絶望」と「慰め」の宴のコントラスト
私が特に注目したのは、今回上演される二つの能『俊寛(しゅんかん)』と『千手(せんじゅ)』の鮮やかな対比です。「宴」と聞くと華やかなものを想像しがちですが、今回はそのイメージが覆されるかもしれません。
第1部:『俊寛』— 孤島に残される僧の絶望
まず第1部で上演される 『俊寛』 。これは、平家討伐の陰謀がバレて鬼界ヶ島という孤島に流された三人のうち、俊寛という僧だけが赦されずに島に取り残される物語です。自分以外の仲間だけが都に帰れると知った時の絶望、船にすがりつく悲痛な姿は、観る者の胸を強く打ちます。希望の光が見えた瞬間に突き落とされる、その残酷さこそがこの物語の核心。これは、もはや「宴」の対極にある絶望のドラマですよね。
第2部:『千手』— 囚われの武将を慰める儚いひととき
一方、第2部の 『千手』 は、囚われの身となった平家の武将・重衡(しげひら)を、千手という女性が慰める場面を描きます。琴を奏で、お酒を酌み交わす…。それは明日をも知れぬ命の前の、あまりにも儚く美しい、束の間の小宴です。こちらはしっとりとした、切なさが漂う宴の情景が目に浮かびます。
この二つの演目を通して、「宴」という言葉が持つ多様な側面を体感できるのが、今回の公演の最大の魅力だと感じます。

能楽デビューにも最適!無料の事前講座が嬉しい
「でも、やっぱり物語の背景を知らないと楽しめないんじゃ…」という方もご安心ください。今回の公演では、とても親切な事前講座 が用意されています。
公演の1週間前、3月7日(土)に開催されるこの講座では、出演する能楽師ご本人が、上演される演目のことや、「酒宴」と能の関係について分かりやすく解説してくれます。しかも、公演チケットを購入した方は なんと無料 で参加できるんです。これは利用しない手はないですよね?
能の世界への第一歩として、これ以上ない機会ではないでしょうか。興味のある方は、ぜひ下記のフォームから申し込んでみてください。
- 日時: 2026年3月7日(土)13:30~15:00
- 会場: 川崎能楽堂
- 料金: 500円(第137回川崎市定期能チケットご購入者は無料)
- お申込み: お申込みフォームはこちら
公演情報とチケット購入
チケットはすでに発売中です。U25割引もあるので、若い世代の方も気軽に足を運べそうですね。
- 公演名: 『第137回川崎市定期能<観世流>』~宴シリーズ第三弾~
- 公演日: 2026年3月14日 (土)
- 会場: 川崎能楽堂(神奈川県川崎市)
- 時間:
- 【第1部】13:00開演
- 【第2部】15:30開演
- チケット料金(全席指定・税込):
- 正面席:5,000円
- 脇正面・中正面席:4,500円
- U25(脇正面・中正面席のみ):3,000円
チケットの購入は、チケットサイト「カンフェティ」または川崎能楽堂で可能です。
シリーズの締めくくりとなる、対照的な二つの「宴」。この機会に、人間の感情が渦巻く能楽の奥深い世界に触れてみてはいかがでしょうか。












