究極の共鳴:JACOB & CO. とブガッティが描く「不可能」のその先
世界には、それぞれの分野で「頂点」を極めた存在がいます。 一台の車が数億円、そして一本の時計が家一軒分にもなる――そんな世界で、なぜ「高級車」と「高級時計」という異なるジャンルが、これほどまでに強く惹かれ合うのでしょうか?
私が今回注目したのは、JACOB & CO.(ジェイコブ&コー) と ブガッティ のパートナーシップが織りなす物語です。単なるコラボレーションを超え、互いの哲学と技術を深く融合させることで、まさに「不可能を可能にする」という共通の信念を体現しています。
JACOB & CO. for BUGATTI:美と技術の限界に挑む二つの魂
ハイパーカーのスピードを極限まで追求し、その中に“美”を完成させたブガッティ。一方、時間の中に“躍動する機構美”を追求し続けてきたジェイコブ&コー。一見すると異なる道を歩んできたように見えますが、両者には「誰も到達したことのない領域へ挑む」という共通の精神が宿っています。
この運命的な出会いは、2019年のバーゼルワールドで正式に発表されました。ブガッティ社長ステファン・ヴィンケルマン氏とジェイコブ&コー創業者ジェイコブ・アラボ氏が壇上に立ち、 「技術とデザインの限界に挑む」 という共通の姿勢を明言。この瞬間から、世界最高峰同士の壮大なプロジェクトが静かに動き始めました。
初期のコレクションとして披露された「ツインターボ フューリアス ブガッティ エディション」は、その名の通り、怒涛のメカニズムを腕元に凝縮したかのような迫力に満ちていました。
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「美と速度」、「情熱と精密さ」。そのすべてを共に高め合うこのプロジェクトこそが、JACOB & CO. for BUGATTI の真髄なのです。
腕元に宿る W16 エンジンの鼓動:ブガッティ シロン トゥールビヨン
両者の哲学が初めて具体的に形となったのが、2020年に世界を驚かせた 「ブガッティ シロン トゥールビヨン」 です。その名の通り、ブガッティの象徴的スーパーカー「シロン」に由来します。
このモデルの開発テーマは、あまりにも明確で、そして大胆でした。 それは 「エンジンの鼓動を腕元で再現する」 こと。
想像してみてください。時計のケース内部には、実際にピストンが上下し、クランクシャフトが回転するミニチュアのW16エンジンの「オートマトン」(からくり機構)が搭載されているのです。ボタン一つで、まるで本物のシロンが始動するかのようにムーブメントが動き出す様子は、まさに圧巻。
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この驚異的な構造を支えるのは、578個ものパーツから成る手巻きムーブメント「JCAM37」。素材の削り出しから回転軸の精度、駆動トルクのバランスまで、すべてが1/100ミリ単位の世界で調整されています。そして何より、この時計は 「音」 を持つという点が特筆すべきです。エンジンが始動するときに微かに響く金属の共鳴音は、まるでシロンのエキゾーストノート(排気音)のよう。これは単なる時計ではなく、まさに 「ハイパーカー”ブガッティ シロン”の鼓動を腕もとに宿す芸術作品」 と言えるでしょう。
新たなステージへ:ブガッティ トゥールビヨン(2024)
そして2024年、この究極のパートナーシップは、さらに進化を遂げます。その立役者こそ、ブガッティの新型ハイパーカー「トゥールビヨン」と同時に発表された同名の時計 「ブガッティ トゥールビヨン」 です。
これは単なる後継モデルではありません。ハイパーカーとラグジュアリーウォッチにおいて 「開発段階からコンセプトを共有する」 という、他に類を見ない試みが凝縮された一本なのです。
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新開発のキャリバーは、従来のW16からV16へと進化。よりダイナミックなビジュアルの立体的構造へと変貌を遂げました。ケースデザインも刷新され、ブガッティの象徴であるホースシューグリルを思わせる曲線が印象的。側面には空力を意識した開口部が施されるなど、まさにスーパーカーのフォルムが腕元に凝縮されています。
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内部で可動するメカニズムの動きは、まるで走行中のブガッティのエンジンそのもの。この時計において「時を刻む」という概念は、もはや速度と美を可視化する “演出” に近いかもしれません。
ジェイコブ&コーは「時計とは、感情を動かすものである。単に時刻を示すだけの存在ではない」という理念を掲げていますが、まさにこの「ブガッティ トゥールビヨン」において、その哲学が最も純粋な形で結実したと言えるでしょう。
歴史へのオマージュ:ジャン ブガッティ
このパートナーシップは、ブガッティの 「未来」 だけでなく、その輝かしい 「歴史」 にも目を向けます。2022年に発表された 「ジャン ブガッティ」 は、ブガッティ創業者エットーレ・ブガッティの長男であり、1930年代に優美で空力的な名車を生み出したジャン・ブガッティへのオマージュとして制作されました。
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時計下部に配された2つのフライングトゥールビヨン、ダイヤルの外周をレッドマーカーが示すペリフェラルタイムディスプレイ、そして極めて高度なバイレトログラード式クロノグラフ。これはジェイコブ&コーでも最も複雑なウォッチの一つに数えられます。当時のブガッティ車のグリルやデュオトーンのボディからインスピレーションを得たダイヤルの意匠やカラーは、まさに「自動車の美学を時計で継承する」という両ブランドが共有するテーマを明確に示しています。
世界一同士が惹かれ合う理由:想像力のその先へ
ジェイコブ&コーとブガッティ。この二つのブランドが歩む道は、常に「限界のその先」を目指してきました。 彼らを結びつけるのは、単なる技術提携やデザインの共作ではありません。それは、 「不可能を、可能にしてみせる」という、創造者としての揺るぎない誇りです。
スピードを極めた者と、時間を極めた者。彼らが共に生み出すのは、もはや時計でもクルマでもなく、 「人類の想像力そのもの」 と言えるのではないでしょうか。世界一同士が惹かれ合う理由――それは、どちらもまだ誰も見たことのない「未来の形」を、すでにその胸に見据えているからに他なりません。
JACOB & CO. が紡ぐ無限の物語
JACOB & CO.は1986年に高級ジュエリーブランドとして誕生し、2002年には時計業界に本格参入。「ファイブタイムゾーンウォッチ」で世界中のセレブリティを魅了し、その後も「アストロノミア」や「ツインターボ」といった、これまで不可能とされてきた複雑機構の開発に次々と成功し、時計業界に技術革新を起こし続けています。
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超高級車メーカー「ブガッティ」だけでなく、サッカー界のスター選手「クリスティアーノ・ロナウド」といった世界的なアイコンたちともパートナーシップを結び、「不可能を可能に」というコンセプトのもと、革新的な作品を生み出し続けているのです。スイス最高峰の時計製造技術と、宝飾業界で培った高い芸術性、そしてノウハウを兼ね備えたこのブランドは、まさに時計業界の最先端を走り、世界中で多くのファンを魅了し続けています。
連載企画「JACOB & CO. STORIES」でブランドの真髄に触れる
現在、JACOB & CO. JAPANでは、ブランドの軌跡を深く掘り下げ、その本質に迫る連載企画「JACOB & CO. STORIES」を展開しています。ブランドの創業から現在に至るまでの歴史、世界的なパートナーシップ、そして珠玉の現行コレクションまで、全24回にわたってその魅力が紐解かれていきます。 今回の記事も、その連載の一つ「Vol.15」として届けられました。
- 連載構成(一部抜粋)
- Vol.1~Vol.4:『ブランドヒストリー』
- Vol.5~Vol.7:『パートナーシップ』
- Vol.8~Vol.24:『現行コレクション』
ぜひ、JACOB & CO. STORIESの過去記事もチェックして、その奥深い世界観に浸ってみてください。
最新情報:JACOB & CO. トランクショー 2025
2025年11月9日(日)から11日(火)までの3日間にわたり開催された「JACOB & CO. トランクショー 2025」は、大盛況のうちに幕を閉じました。会期中はすべての予約席が埋まり、日常ではなかなか出会うことのできない希少なタイムピースを間近で鑑賞できた特別な3日間となったようです。
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あなたも「不可能を可能に」する世界へ
この究極のラグジュアリー体験を、ご自身の目で確かめてみませんか?
JACOB & CO.の公式サイトでは、最新コレクションやブランドの哲学を深く知ることができます。 ぜひ一度、その世界を覗いてみてください。 JACOB & CO. 公式サイト
- JACOB & CO. 銀座ブティック
- 〒104-0061 東京都中央区銀座6-7-9丸喜ビル1階
- 営業時間:平日12:00〜20:00 土日祝11:00~20:00
- Email:[email protected]
- Tel:03-6281-4777
JACOB & CO.とブガッティが生み出す、時を超えた芸術。それは、単に時間を知る道具でも、移動手段でもありません。私たちが普段「無理だ」と思い込んでいる限界を軽々と超え、まだ見ぬ未来の可能性を指し示す羅針盤のような存在なのかもしれません。あなたの腕元にも、そんな「不可能を可能にする」力が宿ったら、どんな毎日が待っているでしょう?











