伝統を支える老舗が挑むデジタル革新!クマヒラが選んだ「KANNA」で実現する未来の現場DX
日本のセキュリティ業界を牽引し、金融機関の金庫設備から文化財保存まで、私たちの暮らしの安全と安心を長年守り続けてきた株式会社クマヒラ。その名を聞けば、「信頼」という二文字が真っ先に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。そんな伝統あるクマヒラが、今、現場のデジタル変革(DX)に乗り出しました。
私が今回注目したのは、クマヒラが導入した現場DXサービス「KANNA(カンナ)」 です。このニュースは、単なるITツール導入の話題に留まりません。長きにわたりアナログな現場と向き合ってきた業界の巨人「クマヒラ」が、なぜ、そしてどのように「KANNA」を導入し、どのような未来を描いているのか。その詳細を深掘りしていきましょう。
クマヒラとは?その揺るぎない「信頼」の歴史
クマヒラの歴史は古く、創業以来、金庫設備を筆頭に、金融機関向け設備、セキュリティシステム、さらには特殊扉や文化財保存設備といった多岐にわたる事業を手がけてきました。まさに、日本の重要施設や貴重な財産を守る「縁の下の力持ち」として、社会インフラを支える存在です。その技術力と信頼性は、業界内で不動の地位を確立しています。

しかし、どんなに技術力が高く信頼があっても、時代の変化、特にデジタルの波からは逃れられません。長年の業務で培われた「紙ベース」のやり取りは、現代においては非効率を生み出す原因となりかねないのです。
なぜ今、クマヒラが現場DXに踏み出したのか?〜見えてきたアナログの限界〜
クマヒラの技術部では、協力会社との間で発生する見積依頼や契約書といった重要書類のやり取りが、大きな課題となっていました。
- 情報の分散: 電話、メール、ショートメッセージ、さらには紙の郵送と、やり取りの手段が多岐にわたり、情報が一元管理できていなかった。
- 属人化の進行: 過去のやり取りを探すのに手間がかかり、担当者の異動や退職時には情報引き継ぎが困難に。
- コストとリードタイムの増大: 紙の注文書や請書を郵送する運用は、郵送費や収入印紙代といった経費を増加させるだけでなく、書類のやり取りにかかる時間(リードタイム)を長期化させ、時には支払い遅延リスクまで生じさせていました。
皆さんの職場でも、このような「アナログ業務あるある」に心当たりはありませんか? 特に、セキュリティのように緻密な情報管理が求められる現場では、これらの課題は喫緊の解決が求められていたはずです。
(クマヒラの事業を象徴する金庫。この堅牢な空間でさえ、情報連携はよりスマートになる必要がある)
KANNAが選ばれた理由 〜直感的な使いやすさと柔軟なカスタマイズ性〜
では、数ある現場DXサービスの中から、なぜ「KANNA」がクマヒラの目に留まったのでしょうか。その決め手は、以下の2点に集約されます。
- 注文書類の電子化と案件情報の一元管理をワンストップで実現
- KANNAの 「帳票」「チャット」「報告」 といった機能を活用することで、紙ベースの業務を電子化。見積依頼から発注・承認までをクラウド上で完結できる点が評価されました。
- ITリテラシーを問わない直感的なUI/UXと柔軟なカスタマイズ性
- 協力会社のITスキルレベルに関わらず使いやすいシンプルな操作画面は、スムーズな導入と社内浸透に不可欠です。さらに、自社の業務フローに合わせて項目名や進捗ステータスを自由に設定できる点も高く評価されたとのこと。
「使いこなせるか不安」という心理的なハードルを下げ、現場のニーズに合わせて柔軟に対応できる点が、導入を強く後押ししたのですね。
導入後の劇的な変化 〜コスト削減、スピードアップ、そして情報の透明化へ〜
KANNA導入後、クマヒラの現場では目覚ましい効果が表れています。
- ペーパーレス化の大幅な進展: 注文書や請書をKANNA上でPDF送信できるようになり、紙の書類を扱う手間が激減。
- 経費の削減: 郵送コストや収入印紙代といった無駄な出費が削減されました。これは、長期的に見ればかなりのコストカットになります。
- 業務スピードの大幅短縮: 書類のやり取りにかかる時間が大幅に短縮され、業務のリードタイムが劇的に改善。
- 情報の透明化と属人化の解消: KANNAの「承認機能」を活用した電子業務フローにより、見積依頼から承認・発注書送付までがKANNA内で完結。情報が案件単位で整理されるため、過去資料の検索が容易になり、情報の属人化が解消されつつあります。
まさに、「カンナのように削る」というコンセプト通り、無駄が削ぎ落とされ、業務がスリム化された好事例と言えるでしょう。
(KANNAの画面イメージ。直感的なUIで、書類の状況や進捗がひと目でわかる。)
現在、クマヒラではKANNAの全国展開を進めており、各拠点での運用が順次広がっているとのこと。今後は技術部にとどまらず、他部門への展開や電子伝票発行といったさらなる業務DXを推進し、全社的な業務効率化とペーパーレス化の加速を目指しているそうです。
KANNAとは?〜世界中のノンデスクワーク業界を支えるサービス〜
今回の事例でその威力を発揮した「KANNA」について、もう少し詳しくご紹介しましょう。
KANNAは、世界中の**ノンデスクワーク業界 **(建設、設備、製造、メンテナンスなど、デスクワーク以外の現場作業が中心となる業界)における現場の生産性向上を実現する「現場DXサービス」です。
事務作業や移動時間、コミュニケーションの手間を「カンナのように削り」、作業の生産性を最大化することをミッションとしています。Appストアでのアプリ評価も「4.3点」(5点満点)と高く、ITツールに不慣れな方にもシンプルで使いやすい設計が特徴です。
KANNAは、主に以下の2つのサービスを展開しています。
- KANNAプロジェクト: プロジェクト全体の管理を効率化し、情報共有や進捗管理をスムーズにするアプリ。
- KANNAレポート: 今回のクマヒラの事例のように、ペーパーレス化を推進するデジタル帳票アプリ。
このKANNAを提供しているのは、株式会社アルダグラム。2019年設立ながら、すでに株式会社MonotaROやパナソニック株式会社と資本業務提携を結び、国内外で70,000社が利用(2025年6月現在)するまでに成長しています。日本だけでなく、東南アジア、欧米、インドなど世界100カ国以上に展開し、多言語対応もしているグローバルな企業です。
まとめ:伝統と革新が描く、よりスマートな未来
クマヒラがKANNAを導入した事例は、伝統的な企業がデジタル技術を戦略的に取り入れ、大きな成果を生み出せることを明確に示しています。金庫のように堅牢な信頼を築いてきたクマヒラが、最新のDXサービスを導入することで、その「信頼」の基盤をより強固にし、未来に向けてさらに進化していく姿は、多くの企業にとって示唆に富むものではないでしょうか。
アナログな課題に直面している現場は、まだまだ少なくありません。今回のクマヒラの成功事例が、そうした現場に一歩踏み出す勇気を与え、よりスマートで効率的な未来へと導くきっかけとなることを期待しています。











